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02.10.2011

 

Social Distortionのニューアルバムはグッと来るぞ

「Social Distortionのニューアルバムはグッと来るぞ」

ソニー EICP-1438

 久々にヒカルくんと大野くんと一緒の仕事。それがSocial Distortionの新作の解説でした。タイトルは『Bad Times And Nursery Rhymes』というもので、エピタフ・レコードに移籍してからの初の作品で、通算では7枚目の新作。

 ここんところの彼ら、というより、リーダーでシンガーで曲も書いちゃうビッグボス、マイク・ネスの活動は、音楽的にはかなりレンジが広いというか、ハッキリ言えばパンクとは言い難い志向のもので、それは例えば本作にも収録されている「Alone And Forsaken」がカントリーミュージックの伝説的人物、ハンク・ウィリアムスの曲のカバーだということからも容易に感じ取れるのだ。

 さらに言うなら、マイクはもはやパンクがどうのこうの、といった狭い世界には住んでいない。思うに、彼は自分の使命はアメリカン・ミュージックの正統な継承者になることだと確信して今を生きているに違いない。

 それは、細かなジャンルなどよりも心の内側を照らし出す炎のように、彼の音楽的野心をメラメラと燃やしながら、彼自身の口から、心から彼の存在証明としての言葉や歌を吐き出すことにおおいなる意味がある、とでも言っているように思う。

 ソロではボブ・ディランの曲を取り上げたり、カントリー色の強い曲調のものを多く演奏して、ぼくらを驚かせたが、それは単なる趣味とか一過性の好みの問題ではなく、完全に今を生きるひとりのアメリカ人として、おのれの心の命ずるままに突き進んでいるのだろう。

 したがって、彼らに初期の頃のような雄々しい男臭いパンクを求めてもそれは虚しいことと言える。が、彼が変ってしまい、パンクなスピリットやハートを失ってしまったのかと言えば、そうではない。むしろ、彼の生来の反骨魂は今こそようやく本来の輝きを見せ始めたと言うべきだ。メロコアやエモやファン・パンクなどにまるで興味はない。よりリアルな魂の声を求めて彼は堂々と自分の行くべき道を歩み始めたのだ。

 そんな彼に今ようやく全米が注目し始めている。もとより、彼にはそんな細かい人気の上下など眼中にない。ヒットしようが、パンク・ファンから背を向けられようがお構いなしだ。何しろ彼にはやるべきことがあるのだから。そんな彼にバンドも応じて共に歩いている。男たちの新たな挑戦の旅がここに始まった。サイコーにカッコいい不退転の気合いに、鳥肌が立つ。

Social Distortion  / Machine Gun Blues

 

 
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