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11.08.2010

 

THE DOORSの映画「まぼろしの世界」から見えるもの

THE DOORSの映画「まぼろしの世界」から見えるもの

 いよいよ、かねてから話題になっていたザ・ドアーズのドキュメント映画「まぼろしの世界」(原題『When You’re Strange 』)が、先月10月の30日からロードショウ公開されている。

 ご存知の方も多いかと思うけれど、これは基本的に過去の彼らのライブやオフの映像だけを使用して、そこに今や世界的大スターになった俳優ジョニー・デップがナレーションを付けただけの、そういう意味では実にシンプルこの上ない内容となっている。時間も80分ちょい、とかなり短い尺の作品だ。

 その映画というか、映像を見てすぐに思ったことは、当たり前だが、「ドアーズってスンゲーわ」という今さらながらの事実認識。感覚としてはあの時代に生まれたロード・ムーヴィー的な乾いた時間と人との相関関係を、あたかもその現場に自分がいるような意識で傍観している感じ。

 あくまで他者としての傍観者であるのだけれど、その他方で、実はその現場に立ち入って喜怒哀楽を感じている当事者の立場にもあるような感覚も抱くのだ。

 この一種、矛盾したかのような感覚、感情の流れを、しかし、ぼくはあっさりと自然なこととして受け止めてしまっている。実にリアルであると同時に、流れる風景のようにも見える。その場にいるようでいて実は高見の見物をキメ込んでいるようでもある。

 恐らく、それは、個人個人によって違う受け止め方になるのだろう。あの時代、あの世界、あの歌、あのファッション、あの生き方、などなどを、見る人の感性は言うに及ばず、これまでのその人の人生での経験、体験、生き方などの個人的な差異により、感じ方が決められるのかもしれない。

 だから、同じ映画を見ても、そこに見たものはまさに十人十色というか、千差万別であるのかもしれない。

 でも、確実に言えるのは、ドアーズというバンド、そのメンバーたち、特にボーカルのジム・モリソンの個としての人間のパワーの凄さが半端ではなく、それは純粋に美しくかつカオティックであると言うこと。

 ジム・モリソンの死は悼ましい事件ではあったが、月並みな言い方だが、彼はその死によって永遠の生を生きることになったとも言える。であればこそ、彼らの音楽は40年も経った今この時にも、今の声として聴く者の心に響くのだ。

O.S.T.『まぼろしの世界』ワーナー WPCR-13951

 なお、渋谷のシアターNでは13日からデビュー・アルバム『ハートに火をつけて』の録音過程に迫ったドキュメント『メイキング・オブ・ハートに火をつけて』を劇場初公開するということだ。詳しいことはこのサイトまで。
http://www.theater-n.com/movie_m.o.d.html

 
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